硫酸塩とは硫酸イオン硫酸を含む無機化合物の総称です。
天然には火成岩中に含まれることもありますが、多くは石膏や重晶石、硫酸鉛鉱などの風化生成物です。

建築では、コンクリートの耐久性に影響を及ぼす物質です。硫酸塩の作用としては、骨材中の石こう等の硫酸塩がセメント中の成分と化学反応して、エトリンガイトの生成物ができ、膨張破壊することと、土壌中の硫酸マグネシウム等がコンクリートの外部から蝕して破壊してしまいます。

コンクリート中の水酸化ナトリウムと反応して二水石膏を生成して泥状化してブヨブヨになってしまいます。最近では中近東コンクリート工事では、土壌中・骨材中に硫酸塩が多く含まれていて、これらが耐久性に影響を及ぼしています。

コンクリートで覆われている鉄骨・鉄筋などが、コンクリートがはがれてしまう事で、大気に触れてさらに悪影響を及ぼす事が問題とされています。この影響に一般的な対策としては、樹脂ランニング等によってコンクリート表面に、保護層を施し、酸などの化合物の侵入を防止する対策が施されています。

また、近年では硫酸塩が多く含まれている土壌中にコンクリートを打設する場合、耐硫酸塩セメントをして打設する事を推奨しています。耐硫酸性セメントは現在開発中でこれからの普及に期待できるセメント材となります。