サクションとは、英語の直訳で吸引を意味し、毛管圧とも呼ばれるもので大気圧と間隙水圧の差の絶対値によって求めることができます。単位はN/mの2乗で表されます。

このサクションや毛管上昇高をみることで地盤、土壌の状態を把握しようとするもので、乾燥した砂に水を与えた際、土粒子間に発生する粘着力(凝縮力)によって土塊が生成され、さらに水を与えて飽和状態となると土塊が崩壊するというメカニズムにサクションが影響していると考えられています。

自然環境下において地盤は飽和状態と不飽和状態を繰り返すことで、土の間隙内にある水が毛細管現象によって集まり、凍土現象によって地表面の隆起や融解時の地盤軟弱化による地盤沈下を招きます。

このような問題をはじめ、浸透・締固め・土圧・支持力・斜面安定・侵食問題等を解決するために、土は土粒子(固相)、間隙空気(気相)、間隙水(液相)による三相混合体として捉え、不飽和土を扱おうとしています。

サクションを知ることで、例えば、凍土防止の工法として、地下水面からの水の供給を遮断する、地下水面を低下させる、凍土性の表層を他の材料と置き換える、断熱材によって土の温度低下を防止するなどを検討することが可能となります。