その名の通り靴を脱いだりする際に使用する石のことです。「沓脱石」と書くこともあるみたいです。「くぬぎいし」と読んだり、「くつぬぎいし」と読んだりすることもあるそうです。比較的大きい石が用いられることが多いです。
 
靴脱ぎ石に使用される石には多くの種類があり、青石、本鞍馬石、鞍馬石、桜みかげ、本御影石、御影石などがあります。
 
和風庭園で使われることが多く、縁側や濡れ縁の下に置かれています。庭と建物をつなぐ重要な役割を担っています。通常、縁側などに上がるには少し高く、大きく足を上げないといけません。しかし、この靴脱ぎ石があることで足を大きく上げなくても済むようになります。和服や浴衣を着ている時に大活躍しそうですね。
 
ちなみに日本では家に入る時に履き物を脱いで入るのが常識になっていますが、海外ではそうではない国が多いです。したがって、海外には靴脱ぎ石はないと考えられます。そもそも日本では履き物は外に出た際に穢れがついてしまっているものと考えられているので家に入る時に履き物を脱ぐそうです。この履き物を脱ぐという行為から必要になったのが靴脱ぎ石。靴脱ぎ石をまたぐことによって家に穢れを持ち込まないという考え方になるのですね。