着工とは、工事を開始したという意味です。工事着手、起工という言葉も同じ意味として使われます。工事を始める前には打合せ・契約・設計・建築確認申請といった過程がありますが、これらに着手した時点では着工とは言いません。実際に工事が始まった時が着工です。着工日は吉日を選び、施主をはじめ設計者や施工業者などの関係者を集めて着工式(起工式)を行うのが一般的です。

建築基準法の解釈では、地盤を掘る根切工事・本杭工事(試験杭は除く)・土留め工事といった、基礎に係る工事に着手した時点で着工とみなされます。地盤調査・整地や遣り方・仮囲い・建築資材や重機の搬入・地鎮祭などは着工には当てはまりません。ただし軟弱な地盤に対して地盤改良工事を行うことは、着工とみなされるため注意が必要です。

着工前に建築確認申請を行い、建築主事の確認を受けるよう建築基準法に定められています。建築確認申請がおり、確認済証が交付されるまで着工できません。受け取る前に着工すると、業務停止などの処分を受ける場合があります。工期が短いといった理由で現場が勝手に進んでしまわないよう、しっかりとした施工管理が大切です。着工の定義について不明な点は建築主事に判断を仰ぎましょう。