「定尺」は建築業界では「ていしゃく」または「ていじゃく」と読まれている。辞書などでは「じょうしゃく」という読み方でも掲載はあるが、建築現場ではあまり使われていない。

建築物に使用される部材は、あらかじめ寸法の規格が定められているケースが多い。その中でも、さらに市場で流通しているサイズのものが定尺として販売されている。定尺として販売されている部材を定尺材と呼んでいる。
コンパネや鉄板などには、縦と横の長さが一定の寸法になっている定尺がある。914mm×1829mm前後の「サブロク」や1219mm×2438mm前後の「シハチ」を始め、「サンパチ」「ゴハチ」「ゴトウ」などがある。サブロクが3尺×6尺にあたる寸法であるなど、尺貫法で表した時の数字が定尺の呼び名となっている。

柱や梁、鋼管・形鋼などは長さのみに対して定尺という言葉が用いられることが多い。柱には3mや4m、形鋼には5.5mや6mといった定尺がある。ただし、4mの定尺として売られているものが実際には長さが4010mm前後あるなど、少しだけ長くなっているケースがほとんど。

「定尺」の対義語といえるものに「乱尺」(らんじゃく)がある。長さや大きさがまちまちの部材を「乱尺材」という。フローリングなどでは乱尺材が使用されることもあり、不規則な模様を作れるなどの特徴がある。