一般的にいう仕様書とは、完成までのイメージを明確にしたもの。完成までの工程を示す設計書とは別のものである。
建築業界でいう仕様書とは、建築物の規模・材料・構造・設備や工事の範囲などが表示された書類を指す。建築工事を実施するために必要な図面や書類をまとめたものである、設計図書の一部となる。
仕様書は、共通仕様書と特別仕様書に分けられる。共通仕様書には、工事の内容や契約事項など、工事に関する一般的な注意事項を記載する。特別仕様書とは、工事ごとに関する特記すべき内容をまとめたもの。
特記仕様書は、工事を担当する施工管理者が作成しなければならない。文字や図面だけでなく、画像やイラストなどを添付してよりわかりやすくすると良い。
国土交通省は、建築物の品質確保や施工の合理化などのために技術基準を設けている。新築工事に関しては公共建築工事標準仕様書、改修工事用には公共建築改修工事標準仕様書を、それぞれ刊行。3年に1回の頻度で改定している。
文部科学省も、学校建設に関する標準仕様書を出している。日本建築学会も、建築工事標準仕様書・同解説(JASS)を発行。工事の種類別に1冊ずつまとめているため、全部合わせると30巻近くにのぼる。