比重とは、ある物質の密度(単位体積あたり質量)と、基準となる標準物質の密度との比のことをいいます。通常、固体及び液体については水(温度を指定しない場合は 4℃)、気体については、同温度、同圧力での空気を基準とします。

密度と比重は混同されやすいが、密度は質量を体積で割った量であり、比重は基準物質と比べた密度比であるという点で異なります。物質が水に浮く・沈むというのは、密度よりも比重の方が判断しやすいです。

建設業においても比重は重要な数値です。

例えばコンクリートの場合は比重より「単位容積質量」や「単位体積重量」といった値で表されるのが一般的になってしまいますが、コンクリート製品やコンクリート塊の質量のおおよその値をざっと計算するためにも、比重の値を憶えておくと良いでしょう。

その他にも、建築材料の特性を捉える上で、比重は重要な値でもあります。値が1よりも大きい場合は水よりも重たいということ。鉄の比重は7.85のため、水に入れると沈んでしまいます。一方、1よりも小さい場合は水よりも軽いことを示しています。木材の場合は1よりも小さい値になることが多いです。樹種によって異なりますが、スギの場合は約0.38なので、水に入れても浮かぶことが分かります。

このように、比重というワードは、建設業においても様々な仕事で関わってくるので、基礎的な比重の知識は必要といえるでしょう。