広縁(ひろえん)とは幅の広い縁側のことを言います。一般的な縁側の幅である3尺(90cm程度)より広い4~6尺(120cm~180cm程度)幅の縁側を広縁と呼ぶことが多い。縁側の種類は、雨戸やガラス戸を設けて建物の内側にある内縁(うちえん)と、建物の外側にある外縁(そとえん)に大きく分けられ、外縁のことは濡れ縁(ぬれえん)とも呼びます。

側柱(かわはしら・建物外周部の柱)と入側柱(いりかわはしら・側柱から1間内側の柱)の間に板を張ったものを入側縁(いりかわえん)または広縁と呼んでいたので、本来は1間程度の幅をもつのが広縁である。和風旅館は続き間と入側縁を合わせて1室に区切ることで客室を個室に改造した経緯があるため、現在でも座敷の続きに広縁があり、椅子やテーブルが置かれている。

板張りの縁側には、板を敷居などと平行に張った榑縁(くれえん)と直角に張った切目縁(きりめえん)がある。最近は榑縁と内縁を混同して解説してあることが多いが誤りである。

建物の洋風化とともに姿を消してきた縁側だが、外部とのバッファ―ゾーンとなり室内環境を整えやすいことや、建具を開放すると室内を広く感じられるなどのメリットが見直されつつあり、ウッドデッキを室内に取り込むような感覚で広縁を設けるケースも増えております。