のり面とは、切土や盛土によって作られた人工的な斜面のことを指しています。道路の建設や宅地の造成などが行われる際に、地山掘削や盛土などでのり面は形成されます。また、斜面の崩壊や地すべりなどの土砂災害を防止するために施工する工事のことをのり面工事といいます。

 

のり面の傾斜は、崩壊しないように考慮する必要があるので、土質や岩質などによって安定勾配を計算し、不足した場合は保護工で補います。斜面長は、高さに対する安定勾配で決定され、安定度を考慮しつつ無駄にならないように小段を設置します。地山掘削を行うのり面工事については、労働安全衛生規則などによって必要となる安全措置を行うことが規定されています。

 

のり面に関係する工事には、のり切工、のり面保護工、土留工、山留工、緑化などさまざまな種類の工事があります。

 

のり面を利用すると宅地の高さが道路より高くなるので、掘り込みの駐車場や奥に玄関や部屋などを設けられます。駐車場のためだけに道路側を削って擁壁を設けるよりも、部屋などの地下空間を作る方が費用対効果が高くなります。加えて、建築基準法で地下室扱いとなれば、容積率の緩和があるので最大80%が120%まで緩和されるというメリットがあるのも特徴です。