勾配天井(こうばいてんじょう)とは、屋根の勾配に合わせて天井の中央が両端より高くなっているもの。その逆で、天井が水平になっているものは平(ひら)天井または陸(ろく)天井。傾斜天井という言い方もあるが、屋根の勾配に合わせて傾斜をつけているとは限らないので、勾配天井と同義ではない。

船の底をひっくり返したような形状の船底天井も、勾配天井の一種である。船底天井よりもさらに勾配が強いものを屋形天井と呼ぶ。
勾配天井にするメリットは、建築物の高さを抑えることで家の建築費用を安くできるだけではない。空間が広がることにより開放感が生まれ、高い位置に窓を取り付けられることで部屋が明るくなる。通気性が良くなり、匂いなどはこもりにくい。

ただし、天井が高くなることでメンテナンスが面倒になることに留意しなければならない。照明の種類や位置などに配慮することが求められる。また、空間が広がるため冷暖房効率は悪くなり、断熱材などで対策する必要も。
都市部などでは、北側斜線制限により勾配天井を導入するケースもある。北側の隣人の日照に考慮するために北側斜線が設けられ、その範囲内で建築しなければならない関係上、天井に勾配をつけて日当たりを確保するという工夫も見られる。

【参考動画】

こちらの動画では勾配天井について解説されています。