スリットとは建物外壁面や内壁に意図的に設けられた隙間を指します。意匠設計の際や構造設計段階でも多く用いられる言葉です。意匠的に設ける場合はデザインの要素が大きいですが、構造設計の際に用いられるものは耐震スリットといい、鉄筋コンクリート造の建物において雑壁を主構造体の柱や梁から切り離す目的で設けられます。
建築本体だけでなく、住宅の駐車場土間等にスリットを設ける場合もあります。これも基本的には意匠の目的ではなく、土間のクラック防止のためにある程度の面積ごとに区画されていることが要因ですが、このスリットを活用し、植栽や砂利などでデザインを行うこともできます。
スリットの多くは本来構造的なもとして使用されることが多いですが、意匠と構造を切り離して考えるのではなく、構造ありきの意匠設計、意匠設計ありきの構造設計としてとらえることでより設計の幅は広がっていきます。