スライム(slime)とは、もともとは粘り気のある液状のものをいう。アメリカで販売が始まった玩具やゲームに登場するキャラクターが有名。

建築では、杭孔を掘削する際に発生して孔底に沈殿したものをスライムと呼ぶ。具体的には、掘削壁面を保護するのに使用するベントナイト溶液や泥水中に浮遊する土砂の微細な固体粒子が混ざったもの。場所打ち杭においては、スライムが杭の支持力低下の原因となるおそれがあるため、スライムを必ず除去しなければならない。

スライムを除去する作業のことをスライム処理という。スライム処理は1次スライム処理と2次スライム処理の2工程に分かれ、1次処理で大半のスライムを除去して、1次処理で除去し切れなかったものを2次処理で補う流れとなる。掘削方法によりスライム処理の方法は異なるが、1次処理と2次処理を行うのは同じ。

1次スライム処理は、掘削完了直後で建込み前に行う。スライムを底部に沈殿させた後に底ざらいバケットなどを使用して、底部に蓄積されたスライムを静かにすくい取る。

2次スライム処理を行うのは、コンクリート打設直前となる。水中ポンプを使用する方法や、トレミー管とサクションポンプを組み合わせて使う方法がある。

粒子の細かい土砂が堆積する地盤では、1次スライム処理だけでスライムを十分には処理できない。水中に浮遊する土砂を沈殿させるための時間を長く見積もると良い。