サイフォンとは、密閉された管中を圧力差により液体が移動する現象を指します。これは広く知られる現象ですが、この現象を用いて、野村不動産が開発した排水システムをサイホン排水システムといいます。
通常、建物内の排水配管は重力によって留まることなく排水の集水管まで到達するように若干の水勾配を付けて設計されています。これは排水管の平行距離が長くなればなるほど、断面的にも配管寸法を確保する必要があり、構造の梁との干渉など設計を行う上ではとても重要なポイントとなります。このサイホン排水システムでは配管の勾配に頼らず、配管内の圧力によって排水を行うため、断面的、平面的な設計の自由度が高くなりました。
このように意図的にサイフォン減少を用いる場合、設計にとても有効に働きますが、サイフォン現象を想定していない場合の排水システムでは時として、水が逆流する恐れもあるので注意が必要です。
