簡易舗装とは、交通量が少ない道路でなされる舗装のことをいう。
昭和39年に、日本道路協会が『簡易舗装要綱』を発行。当時はまだ道路の舗装率が低かったため、道路舗装を急ぐ必要性があった。そのため、未改良道路でも国庫補助できるように、『簡易舗装要綱』でガイドラインを作成した。

要綱では、自動車の交通量が少ない道路での簡易舗装が奨励されていた。トラックなどの重車両があまり通行しないことも条件の1つ。また、水はけが良く、側溝が整備されていることなども良しとしている。

簡易舗装は、3〜4cmの表層と土や砂利を敷いた路盤で構成される。舗装の基礎部分となる路床は作らず、地盤を転圧してから簡易的な舗装を施す。なお、『簡易舗装要綱』の改訂版では、表層の厚さを2.5cmにしても良いとする緩和策が提示されていた。
簡易舗装のメリットは、安価で比較的手間を掛けずに舗装できること。しかし、耐久面ではアスファルトによる通常の舗装より劣る。そのため、特に交通量の多い大型の道路では、簡易舗装後の改良を前提とすべきである。
簡易舗装を含む道路の舗装率は、1970年には全国の一般道路で約15%(一般国道は8割程度)であった。2020年では8割超(一般国道は99.5%)となっている。