尺は尺貫法による長さの単位で、10厘=1分、10分=1寸、10寸=1尺、10尺=1丈である。曲尺(かねじゃく)ともいいメートル法への換算は1尺=10/33mで行う。

尺は昔から東アジアで広く用いられてきた長さの単位だが場所・時代・用途によってさまざまな尺が存在した。日本でも時代によって1尺の長さは異なるが、少なくとも江戸時代以降の1尺と尺貫法による1尺は1mm前後の違いしかない。

工具としての曲尺は金属製でL字型をした定規のことで、表目に尺・寸の目盛りが裏目に角目または丸目の目盛りが刻まれている。角目とは√2倍した寸法、丸目とは円周率倍した寸法である。現在の曲尺はメートル法の目盛りになっているが表目・裏目の関係は同じである。指矩、指金、差金、尺金と表記することもあり全てさしがねと読む。

一般的な尺(曲尺・かねじゃく)とは別に和裁に用いられてきたのが曲尺の1.25倍の寸法になっている鯨尺(くじらじゃく)である。

長さの単位として用いられてきた尺は物差しや長さそのものを意味する言葉にもなった。計算尺の尺は物差し、定尺(ていじゃく)や乱尺(らんじゃく)あるいは縮尺の尺は長さという意味である。

定尺とは決まった長さあるいは長さが揃ったものを、乱尺とは長さが不揃いなものを意味する。長さが不揃いな板などを張ることを乱尺張りという。

【参考動画】

こちらの動画では尺について解説されています。

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