定着は、鉄筋やアンカーボルトがコンクリートから抜け出すことのないように、規定の長さを確保して、接合部の相手側のコンクリートに固定することです。鉄筋コンクリート造の建物では、いたるところで使用されるほど重要です。定着の手法は、大きく2種類あります。「直線定着」は、真っすぐに定着することを意味しています。引っ張ると抜けやすいというデメリットがあり、定着長さが長くなるという特徴があります。
「フック付き定着」は、折れ曲がって定着することを意味しています。フックがあることでコンクリートにひっかかり、鉄筋が抜けにくくなるという特徴があります。そのため、定着長さは短い傾向にあります。フックの角度や長さにルールがあるため、覚えなければならないことが多いので注意が必要です。
また、鉄筋の定着長さは、「コンクリートの設計基準強度」、「鉄筋径数」、「鉄筋の材質」で決定されています。コンクリートの設計基準強度が大きければ短くなり、鉄筋の材質が高強度になれば長くなるという特徴を持っています。直線のケースでは、「L2」、フック付きのケースでは「L2h」といいます。定着長さを確保できていない場合、各部材が地震などの外的衝撃や、老朽化によって容易に分離崩壊してしまうので要注意です。