矩計図は、断面図そのものを大きな縮尺で描いた図面のことを指しています。断面詳細図のひとつです。梁の位置関係やレベル、仕上げ材とのおさまり、詳細な描き込み等、さまざまな情報が集約されています。20分の1から50分の1の縮尺で描かれることが多いのが特徴です。住宅施工の際には、基礎の深さや地面からの立ち上がりの位置、土台の上端などが重要だとされています。これら住宅施工において重要だとされている事項が記載される矩計図は、現場においてよく用いられる図面です。
また、仕上げの方法、断熱材の種類に関しての記載もあるので、住宅の断熱に関することがよく把握できるのも特徴のひとつです。加えて、窓の位置、天井および床との兼ね合いなどがわかるので、日差しの入り方や風の抜け方がわかります。よって、採光や通風のイメージがよりはっきりとし、空間の居心地が把握できるようになっています。建築士や職人など家づくりの専門家であれば、矩計図を確認するだけで住宅そのものの性能がわかると言われています。
その他、住宅の施工においては、高さがうまく収まらないといった問題がよく発生します。設計士が高さに関して詳細な寸法を記載した矩計図を作成することにより、問題を未然に防ぐことも可能です。