ハーネスとは高所作業する作業者が、着用する安全ベルトの一種です。胴全体を支持するため、高所から墜落時の衝撃を緩和し使用者を怪我から守る保護具の1つです。
建設業でかつて使用されていた胴ベルトタイプの安全ベルトは、高所から墜落した際にベルトが体からすり抜ける事例や墜落時に胸部や腹部を急激に力が加わり死亡する事例がいくつもありました。災害の重大さから、より安全性の高いハーネス型の墜落制止用器具が推進されはじめました。
墜落制止用器具は、高さが6.75m以上の作業時に着用が義務となっています。建設業界では高所からの墜落災害が多いため、5.0m以上の作業時に着用が推進されています。
アメリカでは1998年からハーネス型の使用が法律でルール化されています。
一方、日本では約20年遅れた2022年からようやく義務化が始まりました。ハーネス型の安全性の高さなどは理解されていましたが「構造規格」に制定されていなかったこと、胴ベルト型の使用感の良さ、ハーネス型の普及は遅れていました。
近年の急速なグローバル化の推進によって日本で使用されている安全帯においても国際標準化機構(ISO規格)等との整合性を図るため義務化となりました。