蹴上げは、階段の一段の高さのことを意味しています。共用住宅の共用の階段を除き、建築基準法では住宅の階段の蹴上げは23cm以下と定められています。蹴上げが大き過ぎると階段を上がるのが大変になったり、下りでは足が届かなくて危険です。しかし、蹴上高は低ければ低いほど楽ということはなく、日常生活で慣れている高さに設定するのが一般的です。具体的には、駅の階段の場合は平均16.5cm、一般住宅の階段の場合は18cmから20cmほどなので、このぐらいの高さに合わせると良いでしょう。ただし、同居する家族や使用する人の身体状況や体力、症状によっては、高さをあえて低くすることもあります。加えて、建築基準法の中には住宅の階段以外にも、小学校の児童用や物販店舗など建物の用途や種類ごとに蹴上げが規定されているので施工の際は確認が必要です。
また、足がのる平らな部分のことを「踏み面」、階段の垂直になった部分のことを「蹴込み」といいます。踏み面は最低でも15cm以上が一般的とされており、できるだけ大きくする傾向にあります。しかし、踏み面を大きくし過ぎることで蹴上げ寸法が小さくなると階段の数が増えていくため、つまずく原因になるので注意が必要です。