砂と水とセメントを練り混ぜたものをモルタルと言いますが、富配合とは通常配合のモルタルと比較して砂に対してセメントの比率を多くしたものです。単位当たりのセメント量が多いモルタルになります。
富配合の効果は2つあります。
①強度の増大
②付着力の向上
富配合の用途は主に2つあります。1つは、コンクリート圧送する際、富配合モルタルを配管内に送ることで潤滑性を高めること、もう1つは強度を生かして外壁の下塗りに使うことです。
特徴としてはセメントの比率を多くした分、強度が大きくなりますが水和反応によって温度が上昇し、表面にクラックが発生しやすくなります。熱収縮がクラックの原因です。クラック対策は砂の粒度を大きくすることが効果的です。
注意事項としては必然的に水の比率が低くなるので流動性が落ちます。下地塗り時のこて離れも悪化するので作業性能を向上させるためには、ほどよい調合を必要とします。夏場など気温が高い時期に少しの間置いておくだけで硬化が進んでしまうことがあります。セメント系材料全般に言えますが目に入ってしまうと失明につながる恐れがあります。手に材料がついたまま目に触れることは避ける必要があります。作業中の保護メガネは必須です。