手戻りとは、何らかの問題が生じることにより工程の途中で前に戻って作業をやり直すこと。場合によっては、一度施工が完了した部分まで戻って作業を行うこともある。

手戻りによって作業工程を変更せざるを得ない状況も考えられるため、工期の遅れ・予算の超過などさまざまな問題が生じる。工程の見直しを行う場合もある。施工管理に従事する現場監督は、手戻りがないよう入念に施工計画を行わなければならない。

建設工事において、手戻りの防止は生産性向上の取り組みの1つとされている。手戻りを防止するための主な対策として、BIM/CIMの活用があげられる。

設計段階においては、BIM/CIMによって3D図面が作成できるため、関係者全員がどのような計画を行うのかが把握できる。また、地元住民への説明会の際に3D図面を用いることで、一般市民にも理解してもらいやすい。設計ミスを防ぐことにもつながる。

また施工計画においても、危険箇所はないか・周囲の環境はどのようになっているかなどを把握しやすくなる。さらに、クレーンの架設計画の検討・鉄筋の干渉確認なども行える。

BIM/CIMの活用以外に手戻りを防止するためには、事前調査の徹底と関係者同士の綿密な打ち合わせが重要となる。