建設・建築工事における支払い方法の一種。主に保留金を指す。日本では建設工事完了後、引き渡しを経て残工事代金、もしくは工事金額全額を請負業者へ支払うことが一般的である。しかし、引き渡し後に建物の一部に契約不履行が有る場合、請負業者側が不誠実な対応を行うなどトラブルに発展する事がある。

そういった事態を未然に防ぐため、建設工事金額の1割〜3割を保留金として発注者側で保持し、竣工引き渡し後から有る一定の期間(例として1〜2年程度)を経た後に請負業者への支払いを行う。そうすることで引き渡し後に発生する建物の契約不履行部分についても誠実な対応を求める事ができるような仕組みとなっている。海外では一般的に用いられる仕組みであり、多くの場合は契約時に、保留金の割合と、引き渡し後の支払い時期を定め両者合意を行う。

契約書面上であらかじめ定めずに工事金額の一部を保留金とすると請負業者とのトラブルに発展する恐れがある。あくまでも発注者の権利を守るためにある仕組みではあるが、下請け業者に対して、保留金を次の現場へ持ち越したり、代金の請求が行われないために支払いを処理を行なっていないなど、請負業者に対して不利な形で利用されているケースもしばしば見られる。こうした問題についての対応は建設業法令遵守ガイドラインに詳細が記されている。