ラッキングとは、給排水管の板金工事のこと。また、その工事で使う薄い金属の材料もラッキングと呼ぶことがある。
給排水管には、保温材としてウレタンウォームやグラスウールなどが用いられているが、外部からの衝撃や紫外線には弱い。そのため、金属製のラッキング材を巻くことにより、給排水管の劣化を防ぐ。
ラッキングに使われる素材は、ステンレス・アルミ・ガルバリウムなど。厚さ1mm以下の薄い板金になっている。ラッキングカバーやメタルジャケットなどの呼び名がある。

ラッキングカバー(メタルジャケット)の種類は、直管部のジャケットや曲がり部分であるエルボカバーの他、フランジカバー(フランジ接続部に使用)・バルブカバー(バルブに使用)・フレキカバー(フレキシブルホースなどを覆う)などがある。
ラッキングは、まずジャケットを給排水管に巻いてから、エルボカバーを取り付ける。その後、板金バサミなどでフランジカバーやバルブカバーを加工してから取り付けていく。カバー同士の接合部には、コーキング剤を塗布して補強する。
給排水管は定期的なメンテナンスが必要。特に屋上などの風雨にさらされる場所は、ラッキングのサビや腐食が発生しやすいため、交換頻度が高くなる。