特定元方事業者とは、元方事業者のうち建設業または造船業を行う事業者を指します。

元方事業者とは、ある同一場所で行う事業のうち、注文者の立場でありながら自らも仕事の一部(例えば施工監理業務のみ)を行い、その他の部分を請負人(請負業者)に請け負わせている事業者のことを指します。

建設業や造船業では異なる会社の労働者が作業することが多いため、特定元方事業者には、統括安全衛生管理が義務付けられています。

また、安全衛生管理法第29条にて、関係法令順守の徹底と違反是正の指示、危険防止措置や技術指導が「元方事業者の講ずるべき措置等」として規定されています。

分割発注工事などで特定元方事業者が複数存在する場合には、発注者がその内の1社を統括安全衛生管理義務者として指名しなければならず、

安全衛生管理法第30条にて、①協議組織の設置と運営、②作業間の連絡と調整、③作業場所の巡視、④関係請負人が行う安全衛生教育の指導と援助、⑤仕事の工程、機械や設備等の配置に関する計画作成、機械や設備等を使用する作業に関する関係法令に規定された措置についての指導、⑥労働災害防止に必要な事項が規定されています。

労働安全衛生規則 第664条第1項に関連して、労働基準監督署への事業開始報告については、作業に従事する労働者が常時10人未満の場合に省略することができます。