毒物劇物取扱者とは、毒物及び劇物取締法に基づいて登録される者である。
なお、「毒物」または「劇物」とは、毒物及び劇物取締法や政令で定められているものをいう。一般的に、毒性の強いものを「毒物」、毒物よりはやや弱い毒性のものを「劇物」と呼ぶ。

法律により、毒物や劇物を取り扱う施設ごとに毒物劇物取扱責任者を置くことが義務付けられている。毒物劇物の製造や貯蔵などをする施設の点検管理、毒物劇物の漏出や紛失の防止、毒物劇物の運搬や廃棄が法律に則り行われているかの点検などが毒物劇物取扱者の仕事となる。

建築関係では、ビルやマンションの管理において、衛生管理や害虫駆除などで毒物劇物取扱者の知識が活かせる。建築廃棄物の処理では、毒物劇物取扱者を設置している業者に委託する事例がある。さらに、塗装材が毒物や劇物に指定されるケースが多く、塗装材の製造工場などで毒物劇物取扱者が重用される。

毒物劇物取扱者には、法令で定める学校を卒業した者や薬剤師の他、各都道府県で実施する試験に合格した者がなれる。受験資格では、年齢や学歴、実務経験などは問われない。ただし、18歳未満の者が試験に合格しても、毒物劇物取扱責任者にはなれない。
毒物劇物取扱者の試験区分は3種類あり、合格した区分により取り扱いできる毒物や劇物の種類が変わる。試験内容は筆記試験と実地試験の2つ。ただし、実地試験もほぼ筆記試験と同様に行われている。