付け柱(付柱とも表記)とは、装飾用に取り付けられた柱のことである。構造上は特に必要なものではなく、壁面に取り付けて柱のように見せる。
付け柱は古代ギリシャやローマの建築ですでに採用されていた。ルネッサンス時代や19世紀以降の建築でも随所に見られる。断面が単純な長方形のものから彫刻が施されたものまで、多くの様式がある。
日本でも室町時代頃に書院造りが成立し、付け柱が設置されるようになった。もとは読書などをするための付書院(付け書院)と呼ばれる開口部が設置され、その外側に付け柱が作られていた。のちに付書院は机としての機能がなくなり、明かり障子や棚・付け柱などを据え付け、和風建築における出窓のようなデザインとしての機能が期待されている。
付け柱はあくまでも装飾用のため、耐力は問われない。そのため、スギやヒノキだけでなく、人工木なども用いられる。古民家の雰囲気を出すために、廃材を再利用して付け柱にするケースも。
付け柱と似たものに片蓋柱(かたふたばしら)がある。付け柱と同様、建築物の荷重を支える役割はなく、デザインとして取り付けられるもの。しかし、付け柱は壁面より外側に設置するのに対して、片蓋柱は通常の柱と同じ柱面となる。