建築用語としての人工は「にんく」と読む。1日仕事をしてかかる人件費のこと。人工代(にんくだい)ともいう。

もともとは職人の工賃を計算するための用語であった。現在では、設計者の人件費なども含め、建築業界全体で使われている。

1人に対する1日あたりの人件費は「1人工」(いちにんく)、半日の場合は「半人工」(はんにんく)などと呼ぶ。半人工かどうかを判断する基準となるのは、お昼を食べるかどうかであることが多い。お昼を超えて食事してから再び作業するような場合は1人工扱いとする。

一例として、1日あたりの単価が2万円で2人必要な場合、「1人工2万円×2人工」などと表現します。2人投入して1日で仕上げるか、1人で2日間かけて作業するなどと想定される。

人工の費用は建設会社ごとに違う。ただし、国土交通省より労務単価が公表されており、建設業の職種別に労働単価が定められている。設計者や技術者の労務単価もあり、年ごとに変動する。

人工は、8時間の労働時間に対する単価として計算する。時間外や休日・深夜労働に対する割増賃金や、職種ごとの通常の作業条件や内容を超えた労働に対する手当などは含まない。よって、1か月間の人工は30ではなく22人工程度となる。