二八とは、2が8を制する、物事の結果のうちの8割は全体の2割の要素によってもたらされていることを表現するもので、イタリアの経済学者であるヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則(べきじょうそく)で、パレートの法則、80:20の法則、ばらつきの法則と呼ばれています。

組織全体の2割の主要格が大部分の利益をもたらし、この2割の主要格を取り除くと、残る8割の中の2割が新たに大部分の利益をもたらすようになるという働きアリの法則と同じ意味合いを持ち、経済だけでなく自然現象や社会現象など様々な事象に当てはめられることがあります。

公共工事では、厳しい財政事情を背景に必要な機能と品質を確保しながらのコスト縮減が求められており、建造物の価値向上を目指す観点からVEの技術が最適として、建設省が策定する公共工事のコスト縮減対策として提案されています。

VE(バリューエンジニアリング:Value Engineering)を価値工学と捉え、価値(Value)を機能(Function)とコスト(Cost)で表現するとV=F/Cと表現することができ、同じ機能を低コストで実現する、同じコストでより優れた機能を実現する、より優れた機能を低コストで実現する、多少コストが上がってもより優れた機能を実現する、の4つの基本的な考え方が導かれます。

基本設計段階が顕著に「設計が20%進んだ段階でコストの大半が決まる」とパレートの法則に当てはまることから、この部分に設計VEの考えを用いて成果を上げようとしてます。

従来のVEは、主に施工段階で行われるものが多く、単なるコストダウンの手法に留まり、機能や品質の低下を招き、設計変更が容易ではないという問題がありました。