「オブジェクト」(object)の元の意味は「物」「対象」「目的」などである。ビジネスにおいては、特定されていない「モノ」を表す言葉として使われることが多い。
特にIT業界では、「オブジェクト」を「コンピューター上で処理や操作の対象となるデータ集合や図形などといった何らかの実体」といった定義となっている。ソフトウエア開発の考え方の1つに「オブジェクト指向」がある。その他にも「オブジェクトコード」「オブジェクトファイル」などと使われている。
建築では、建築が「オブジェクト」であるかなどの議論が交わされている。一例として、建築家の隈研吾は『反オブジェクト―建築を溶かし、砕く』という著書を出版している。
建築設計で用いるCADには「オブジェクト」という用語がある。意味は「CAD上で操作できる形状を持つもの」。図形や線だけでなく、文字などもオブジェクトの一種となる。
なお、「オブジェ」(objet)はフランス語で、英語の「オブジェクト」に相当する。もともとは抽象的な創作表現をした作品、転じてそのような技法を用いて作られた置物なども「オブジェ」と呼ぶ。一定基準以上のオブジェは建築基準法の対象となり、建築確認などが必要となる。