セメントや石灰を水で溶かしたものをノロと呼びます。これに砂を加えるとモルタルになり、モルタルに砂利を加えるとコンクリートになります。
 
ノロは、左官工事の下地やタイル張りの下地、石工事に使用されたりします。ノロに樹脂を混ぜる樹脂ノロを使用することもあります。
 
建築工事における重要な材料として使用される一方、否定的な用語として使用されることも多いです。コンクリート工事や左官工事の時に、コンクリートやモルタルの中にあるセメントペーストが、仕上げ材にかかってしまったりすることがあります。このかかってしまったセメントペーストのことも「ノロ」と表現したりします。このノロは明らかに不必要なものであり、除去する必要があります。ですが、構造物や仕上げ材に隠れて見える可能性が低い場合は、除去する必要はありません。ノロはかかると色がついて取れないことがあります。仕上げ材にノロがかかる恐れがある場合は、仕上げ材を取り付ける前に当該工事を完了させるか、念入りに養生する必要があります。
 
ノロに関しては、基本的に構造的な性能は期待できません。このため、モルタルやコンクリートを使用するべき場所にノロを使用することはできません。