動線とは、建築や都市などの空間で、人や物が移動する軌跡や方向などを表す線のことを言います。「動線を確保する」「動線が伸びた」などと使います。よく導線と混同されるが、建築用語で導線は電流を通すための金属線という意味で使われることが多い。

例えば、一般の住宅においても炊事・洗濯・掃除等をするための家事動線や、朝起きてからの洗顔・食事・トイレ等のための生活動線があります。さらに高齢者や介護者の負担を軽減するための介護動線が想定される所もあり、通常はそれら複数の動線が混在する状況です。

動線を重要視するのは、作業の効率や安全に関わるためであり、作業のために必要とする経路が短く交差しないほうが仕事の効率や安全度は上がります。設計において動線を特に考慮することを動線計画と言います。

建築を構成していく上での基本的な原則になるとともに、設計した建築の使いやすさを客観的・合理的に評価する場合の判断材料となります。設計の際には利用者の行動パターンを予測することが重要です。特に高齢者向けの住宅設計では、何パターンもの動線を想定しましょう。設計段階において、人や物の動きをスムーズに処理するために、その流れを表現する動線図を書くとよいでしょう。