よっことは「寄っこ」とも書き、物を横に移動する、邪魔にならないところに寄せる、どけるという意味を持つ言葉です。北海道の方言として広く使われており、ほとんどの場合「よっこする」という動詞の形で使います。また、横に移動させるという意味だけでなく、別にしておきたい、あらかじめよけておきたいという意味でも使われます。たとえば、好物の食べ物をだれかに食べられないよう、別にとっておきたい時は「私の分はよっこしておいて」などと言います。

建築や土木の現場で使われる場合は、大きなものや重量のあるものを数人で持ち上げて横へ移動する場合などに「よっこする」と言います。今の作業に邪魔になるからいったん横にずらすという「一時的な移動」を意味することが多いようです。たとえば、「この柱をいったんよっこしておこう」と言う場合は、少しの間だけ横によけておくけれど、あとで元の位置に戻すという意味を持ちます。

茨城や宮城の方言に「よっこより」という言葉がありますが、これは「寄り道」という意味です。ふらっと気の向くままに道をそれて横へと入っていく寄り道は、横に寄せるという意味の「よっこ」にも似ています。穏やかな言葉の響きや寄り道という意味を生かし、「よっこより」という名前のサークルやブログ、居酒屋などが散見されます。