モザイクとは石・ガラス・陶磁器・木などの小片を寄りあわせて絵や模様を表す装飾技法で、古くから建物の内外装や壁画にも多く用いられている。建築用モザイクタイルの製造が日本で始まったのは明治時代とされ、大正時代には大衆浴場などを中心に広く普及した。
陶磁器の産地でもある愛知県常滑市、瀬戸市、岐阜県多治見市などで盛んに生産され、多治見市は現在もモザイクタイルの生産量全国一位である。日本工業規格(JIS)では平物の表面積50㎠以下のものをモザイクタイルと定義しているため、小口タイル(108×60mm)はタイル、50mm二丁掛(95×45mm)はモザイクタイルという分類になる。さまざまなサイズ・形状があるモザイクタイルだが、一般には30cm四方の台紙張りをしたユニットタイルとして販売されている。浴室や台所などの水周りに多用されてきたモザイクタイルはユニットバスやステンレス流し台の普及によって姿を消したが、近年、デザイン性の高さを再評価する動きもありガラスや大理石を用いた商品も登場している。
モザイクの製作では大理石などの小片のことをテッセラと呼ぶ。よく似た言葉にテッセラタイルがあるが、このテッセラは割り肌という意味であり全く別の言葉である。