欠損とは、一部が欠けることを意味しますが、建設においては断面欠損を指すことが多いです。断面欠損とは、既設物があることによって断面が小さくなることを意味しています。例えば、木材の凹凸を組み合わせる際、4方向から梁がくると柱本体の部分が著しく少なくなり、強度に問題が生じることもあります。申請許可どおりの施工を実施しないと、違法建築と指摘される可能性もあるので注意が必要です。構造物の一部が欠けていることも断面欠損といわれていますが、構造上、この位置では欠き取りが禁止という場所もいくつかあります。
また、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造それぞれで断面欠損は起きます。ただ、特に木材に関しては部材同士を組むので断面欠損が起きやすい構造として知られています。木造の断面欠損には、仕口部、接合部の切り欠きによるものなどがあります。鉄骨造の断面欠損については、高力ボルト接合の貫通孔によるもの、スリープによるものがあります。鉄筋コンクリート造の断面欠損については、スリープによるものや開口によるものがあります。
その他、建築環境や壁の仕上げなどの分野でよく使われる言葉に、遮音欠損や、断熱欠損があります。目地部分に遮音欠損があると遮音性能を低下させることがあります。また、断熱材を除去した部分は、断熱欠損となってしまいます。