勝手違いは、前後左右などが反対になっている時の状態を表す言葉です。具体的には、引き違い戸の左右を取り違えている時などに用いられます。一般的には元の図に勝手違いの図形を描いて、寸法や加工指示のみ勝手違いと省略することが多い傾向にあります。これは図形を見れば左右か上下なのかわかるからです。

また、勝手は、建具などの動くものが動く方向のことを意味しています。例えば、開き戸が手前に開くケースでは開き勝手が手前と表現します。加えて、引き戸の建具が右に引かれるケースでは右勝手といいます。引き戸に関しては引く動作によって勝手が決まりますが、内開きのケースでは異なります。吊元が左にある時は左勝手、一方で右にある時は右勝手と表現します。外開きのケースは室内の外に立って引くので、内開きのケースと異なり、室外側からみます。室外側からみて吊元が左にある時は左勝手、右にある時は右勝手といわれることが多い傾向にあります。

その他、ファンコイルの図面で、コイルは同一の勝手とすると表記されていることがあります。この場合の勝手は、ドレン配管の取り出し口など配管の取り出し方向を意味しています。冷温水などの出入口方向を各コイルとも同一で考えることだとわかります。