ミルシート(mill sheet)とは、鉄鋼メーカーが鋼材の材質を証明する添付書類で、鋼材検査証明書とも呼ばれます。機械的性質や化学成分、ロットごとの規格値、製造実績値などが書かれているのが特徴です。また、品質を証明するために重要な書類であるので、受注側の企業は発注側の企業に対して提出する必要があります。加えて、建築基準法においては鋼材の強度を確保することが義務付けられています。さらに、市町村や国が発注する公共事業においても同様で、工事の発注者に提出しなければいけない書類のひとつとして扱われています。特に、重要な材料として書かれているものに関しては、事前に監督職員に提出し、確認を受ける必要があります。

また、ミルシートは、一般項目と製造実績値の大きく2つの項目が記載されています。一般項目には、最終需要者を筆頭に、注文者や紹介番号などが書かれています。一方、製造実績値には、寸法や員数をはじめとして、耐力や伸びなども書かれています。

その他、鋼材にはタグという荷札がついているので、ミルシートとタグをつきあわせて現場で検品します。木造住宅の基礎でも鉄筋を使用することはありますが、鉄筋の使用量が少ないため、ミルシートは発行されないことが多いです。