棟梁とは、建物の棟と梁という意味もありますが、一般的には組織や仕事を束ねる中心人物を意味することが多いです。特に、住宅を造る大工職を束ねる長、親方のことを指す場合によく用いられます。大工の棟梁は、資材の発注、足場や重機、左官職人、とび職人の手配、安全管理、施主への説明など、さまざまな仕事が存在します。

中でも、建造物全体の骨格をつくる建前の指示は重要で、効率よく作業をするために細かな段取りと的確な現場さばきが必要です。明確な基準はありませんが、5年ほどかけて多くの現場を体験し、一通りのスキルを身に着けると棟梁を任されるようになります。しかし、自信を持って棟梁だと胸を張れるようになるには、10年程度かかるでしょう。

また、大工の仕事をすべて把握している職人だけではなく、建設現場を統べるスキル、能力がある人を指す場合もあります。他にも、ハウスメーカーのケースでは、棟梁とは別にスケジュールなどを管理する現場監督がいることもありますが、小さい工務店などのケースでは棟梁が兼任することが多いです。現在は、建築大工技能士や建築施工管理技士、二級建築士、木造建築士などの有資格者が棟梁としての役割を担うケースもあります。