天端は「てんば」と読む。上端(うわば)とも。対義語としては「下端」(したば)などが考えられるが、あまり建築では使われる表現ではない。建築用語としては、「構造物の最上部」または「部材や部位の上面」という2つの意味で使われている。
構造物の「天端」は、最上部の面になっている部分を指す。ダムや堤防、擁壁などで天端が見られる。
ダムの天端には、ダム管理用の道路が通されていることが多い。国道や鉄道がダムの天端を通るケースもある。
堤防では洪水を防ぐために天端がかさ上げされる。擁壁の上部は、内部に雨水などが浸透しないように天端コンクリートなどで仕上げる。
部材や部位を水平にした場合、上面となる部分が「天端」である。最も高い部分という意味でも「天端」が使われることもある。単純に高さを知るためだけでなく、建築基準法に満たしているかどうかの判断材料にもなるため、天端は必要な情報である。
「基礎天端」「梁天端」「スラブ天端」などと使われている。それぞれ「基礎天」「梁天」「スラブ天」などと略して呼ばれることも。
設計図では、スラブ天端を「SL」、高さを「H1,000」などと表す。「H」は高さ(height)、「1,000」は1000ミリ(1メートル)という意味。