灯篭は「とうろう」と読み、日本における伝統的な照明器具のことを指します。主に屋外で使用するため、風で火が消えないように紙や竹、木材、石、金属などで光源を囲うような形に作られています。

外部に設置されるものを灯篭、屋内で使用するものを「行灯(あんどん)」、外部で携帯するものを「提灯(ちょうちん)」と分別します。灯篭は仏教の伝来とともに中国から伝わり、日本においては寺院や神社を中心に広まったとされています。

現代では仏教的意味合いだけでなく、街灯や庭園など日常的なものから景観美を目的とした観賞用など、灯篭の利用先は多様性に富んでいます。
灯篭の種類は非常に多く、代表的なものに石で造られた「石灯篭」があります。形状によってさらに種類は細分化され、春日灯篭、雪見灯篭、遠州灯篭、綾部灯篭、岬灯篭などが挙げられます。

灯篭のなかでもお墓に設置されるもののことを「墓前灯篭」といいます。仏式では丸い形状のものが、神式では角型のものが多く見られます。古くは、故人が無事に神仏の元へ辿り着けるようにといった宗教的な意味合いを持ちました。かつて街灯の少なかった時代、お墓参りに訪れる人々が迷わないようにするための道しるべとしての役割も担っていたとされています。しかし、現代ではお墓の景観を良くするため、デザイン面が重視されるケースも多いようです。