陸は、建築分野においては「ろく」と読み、水平であることを意味しています。水平ではないことや凹凸が存在することを、不陸(ふろく、ふりく)といいます。例えば、「コンクリートの表面に不陸がある」などと使われます。表面に凹凸ができてしまうと、凹部分には水がたまってしまうなど汚れが沈殿してしまいます。一方、凸部分は傷みやすくて汚れやすくなってしまいます。加えて、材料同士の接合面が不陸の状態だと、一部に応力が集中してしまい、予想外の破損が生じることもあります。よって、不陸を避けるのが一般的です。ただし、水を扱う場合だけは少しだけ特殊です。水を流す必要がある時は水はけをしっかりと確保する必要があるので、正しい水勾配をとりつつ、凹凸のない床面の仕上げをします。
また、陸は建物の状態を表す言葉のひとつですが、陸以外にも建物の状態を表す言葉として「矩(かね)」や「撥(ばち)」、「通り」などが存在します。矩は、直角を意味しています。撥は、そもそも平行であるはずの線が広がっている状況のことを意味しています。通りは、一直線になっている状態のことを意味しています。
その他、鉄筋コンクリート造の建物で採用される平らな屋根のことを「陸屋根」、水平に打つ墨のことを「陸墨」といいます。