ラクテック工法とは、東洋建設が考案した橋脚耐震補強工事の工法の名称です。この工法では、鋼製の仮締切材を2隻のクレーン付き台船で工事現場まで運び、両側から挟み込むようにして接合します。
台船は新規に開発されたもので、搭載されているクレーンは門型(定格荷重10t)です。船体は小ブロックを連結して組み立てる方式が採用されており、施工条件に合わせてレイアウトを自由に変更することができます。
この工法では、仮締切材を大枠で組んだ状態から工事を開始することができます。これにより、潜水士による作業は従来の工法より少なくて済みます。また、クレーンが橋桁と干渉することが無いため、接触などによる事故の可能性を考慮する必要がありません。これらの特徴により、従来より安全に作業できるのがラクテック工法のメリットです。
ラクテック工法は、低空頭の河川にある橋脚の耐震補強工事を実施する際に用いられます。最小で桁下高3m程度までの空間ならこの工法で作業が可能です。従来の工法では軒下空間の確保が不十分が故に大型重機が使用できないという問題点があり、工期の長期化を招く要因となっていました。これを解決する方法として開発された技術がラクテック工法なのです。