キンク(kink)とは、英語で「ねじれ・よじれ・もつれ」といった意味である。一例を挙げると、釣りで糸(ライン)がよじれたり折り目がついたりすること、またはその部分のことを「キンク」と呼ぶ。

建築資材においては、細長い物を巻き上げたり引き伸ばしたりなどする時に、折れ・よれ・潰れなどが発生することを「キンク(する)」という。電子部品には、はんだ付けをしやすくする目的で、足(端子)に「キンク」という曲げ加工が施されている。
建築現場では、ワイヤーロープやケーブルなどにできるよじれやねじれを「キンク」と呼ぶことが多い。「いわし」とも呼ばれている。魚の「いわし」(鰯)は魚へんに弱いと書くからという俗説もあるが、由来は定かではない。

キンクしたワイヤーロープなどを使用すると、重大事故が発生するおそれがある。玉掛け作業中に吊り上げた荷が落下した事故の原因が、ワイヤーロープにキンクがあったためという実例が報告されている。

ワイヤーロープなどによる事故を防止するためには、ワイヤーロープの摩耗の度合いやキンクなど異常の有無を定期的に点検する必要がある。作業中にキンクが発生しないよう、安全荷重に配慮しなければならない。吊り上げ中に荷の傾きや揺れなどを確認することも重要となる。