「接合部」とは、2つの部材をつなぎ合わせた部分のこと。同じ素材同士だけでなく、異なる部材をつなぎ合わせても「接合部」と呼ぶ。溶接してつなぎ合わせた部分は「溶接接合部」、柱と梁とをつなぎ合わせた部分は「柱梁接合部」(ちゅうりょうせつごうぶ)などという。
建築物は工場などで部材を製作してトラックなどで運ぶため、部材の大きさが限られる。そのため、建築現場で部材を接合する必要がある。よって、どの建築物にも「接合部」がある。
接合する方法として、ボルトなどを使用する機械的接合、接着剤を用いる科学的接合や溶接接合などがある。近年は、接合部を摩擦処理して高力ボルトで締め付ける、高力ボルト接合が採用されるようになった。
木材の場合、釘や接着剤、木ネジや金物などが接合に使用される。その他にも、接合部を凹凸に加工して接合する継手(仕口)がある。蟻継ぎ・鎌継ぎ・大栓継ぎなど、その種類は多い。
建築基準法には、接合部に関する規定がある。耐震性を確保するために、適正な構造設計をしなければならない。強度に問題がある場合は、接合部にピンなどで補強する必要が生じる。
住宅の性能評価では、接合部に関する試験が実施される。具体的には、柱梁接合部の引張耐力・筋かい先端部の仕口の引張試験・ラーメン構法の接合部試験など。