建築物の荷重を支持する構造部である基礎の種類の1つに、独立基礎が含まれる。独立フーチング基礎ともいう。
基礎が連続して繋がっている布基礎やベタ基礎などとは違い、独立基礎は柱1本ずつに設けられている。フーチングと呼ばれる底が広がった四角錐のような形状の基礎が、柱の下で建築物の荷重を支える。神社仏閣や古民家などの伝統的な建築物にも、独立基礎に近い工法が採用されている。

住居として使われる現代の建築物には、布基礎やベタ基礎が用いられることが多い。独立基礎が使われるのは、比較的規模の大きい非住居建物や、傾斜地の住居用建物など。物置やフェンス、ウッドデッキなどにも独立基礎が用いられる。

独立基礎を導入する最大のメリットは、コストが抑えられること。マンションや大型商業施設などで布基礎やベタ基礎を用いるのは合理的でない。また、基礎部分の風通しが良くなり、湿気から建物を守れるというメリットも。
ただし、独立基礎は耐震性で布基礎やベタ基礎よりも劣る。そのため、独立したそれぞれの基礎を鉄筋コンクリート製の地中梁でつなぎ、独立基礎同士の拘束力を高めるようにする。地耐力のある支持地盤まで掘り下げたり、杭を使用して支持地盤に荷重を支持させるといった対策も。