ハニカムとは、ミツバチの巣(honeycomb)の形に由来する言葉で、中空の六角形を並べた形状を指します。構造的に強い形のため、その特性を生かした「ハニカム構造」が、さまざまな用途に利用されています。
ハニカム構造の利点は、
1.六角形がすき間なく結合しているため強度が高い
2.外力を5方向に分散できるため衝撃吸収に優れている
3.中空のため軽量であり、断熱性や遮音性がある
この3点が挙げられます。ハニカムサンドイッチ構造の「サンドイッチパネル」、「ハニカムパネル」といった製品は、ハニカム構造の芯をアルミ、鋼材、ステンレスなどの面材で挟んだものです。軽くて強い建材として外壁や屋根材に利用されています。なかには芯の部分がアルミ3%、97%は空気という超軽量のパネルもあり、スカイツリーに使われています。そのほかにも、航空機、ロケット、船舶、電車などの構造部材、フォークリフトの段ボールパレットなど、実に多くの用途にハニカム構造が用いられています。
内装のドアやふすまなどの芯材にもハニカム構造が活用されています。芯材を入れないフラッシュ構造より軽くて強い製品が作れるためです。収納家具やテーブルの天板、パーテーションなどには、ハニカムボード(ハニカム合板)が多く使われています。また、まさにハチの巣のように見える形を生かした家具(ハニカムラック)はデザイン性が高く、見せる収納家具として人気です。