しゃくりとは、元来、畝(うね)を掘り切る意味で、敷居や鴨居と襖との接合部に沿って作った溝のことを言います。漢字では「妁り」、「決り」、「刳り」、「作里」等と書きます。かつては専用のしゃくり鉋(かんな)を用いて木材を抉(えぐ)っていました。

現代ではミゾキリと言われる電動工具を用いて溝を作っています。溝の断面は長方形、半円形、三角形、蟻などがあります。鴨居の場合、幅は21㎜、深さは15㎜となります。ミゾキリにはブレードと呼ばれる歯が付いており、高速で回転させながら溝を作ります。位置は付属のガイドや本体についたスケール(定規)を目安に、ネジで調整します。抉る歯の深さを調整して、2〜3回に分けて作業を行います。柱にも石膏ボードなどの壁材を食い込ませるために、溝を設けることがありますが、これをボードしゃくりと言います。

マルノコを用いても溝を作ることが出来ますが、精度を出す工夫が必要となります。木工事以外にも油圧ショベルで土を掘り、溝を作ることもしゃくりと言います。園芸でも土をしゃくり、畝を作ります。鍬(くわ)や鋤(すき)をもちいて、溝を作ります。畝を作ることで、排水性が良くなり、畝を立てることで作業性も良くなります。