重量鉄骨は建築物の構成素材で、S造(鉄骨造)の一種。S造の中でも鉄骨の厚みが6mm以上のものを重量鉄骨と呼ぶ。重量鉄骨は3階建て以上の高層ビル・分譲マンションなどで使用されている。

S造には、重量鉄骨のほかに軽量鉄骨がある。重量鉄骨は軽量鉄骨と比較した場合、鉄骨の方が重くなるため、その分コストが高くなる。また、軽量鉄骨と異なり成型に時間を要するため、大量生産が難しいといわれている。しかし、柱・梁を構成する鉄骨が太いため、軽量鉄骨に比べて少ない本数で骨組みが作られる。そのため、間取りの自由度が高くなる。一般的にはラーメン構造であり、柱・梁の接合部はボルトで結合されている。

重量鉄骨・軽量鉄骨ともにRC造に比べて耐火性には劣る。火災が発生すると周囲の温度が上昇することで、鉄骨自体の強度が低下する。しかし、耐火被覆と呼ばれる材料を使用し鉄骨を覆うと、熱・火災の影響を受けにくくなる。重量鉄骨は鉄骨の厚みがあり、それに付随して壁の厚みも増すため、遮音性に優れているといえる。

重量鉄骨を使用した建築物を施工する際に注意すべき点は、基礎地盤が堅固かどうかを確認すること。重量鉄骨は重さがある素材であるため、その重さに耐えられるように地盤改良を行うなど対策が必要となる。