ハンチは、鉄筋コンクリート造りの建物で床やスラブ、梁が柱に接する部分を大きくした物のことを指しています。主に、強度を高めるために用いられます。断面を大きくすることにより、端部にかかってくる剪断力や曲げ、モーメントに対抗するのが特徴です。加えて、梁下の高さを高く取れるようになってくるので、広く使えるというメリットがあります。さらに、コンクリートの量も調整できるようになってくるので、量を減らせます。

ただし、ハンチをつけるということは型枠が複雑化することになります。したがって、その分コンクリートの重点不足による断面欠損が発生する可能性も考慮しなければいけません。その点がデメリットともいえます。また、見た目が良いものではありませんので、ほとんどの場合は仕上げの時点で隠されることが多いです。よって、街中を歩いていてハンチを見つけるのは難しいです。

その他、背を大きくしたケースは「垂直ハンチ」、幅を広くしたケースは「水平ハンチ」と呼びます。一般的には、水平ハンチよりも垂直ハンチの方が使用されるケースが多い傾向にあります。なぜなら、水平ハンチはスラブと一体になってしまうことが多く、判別がつかなくなってしまうことが多いからです。