建築現場において「はとごや」とは、建物の屋上に設ける凸状の箱のような構造物。形状が鳩小屋に似ていることからこの名称で呼ばれる。
はとごやは屋上のスラブを打設した後にコンクリートで作ることが多い。最近では、工期短縮のためユニット化したプラスチック製ものやプレハブのはとごやも増えている。

はとごやを設置する目的は大きく分けて2つあり、1つは屋上の配管や室外機、電気配線などを保護すること。はとごやが屋上に抜けた配管類を雨風などから守ってくれる。はとごやを設けることで配管を水平方向にできるというメリットも生まれる。
もう1つは、はとごやが配管類の点検口として機能すること。はとごやがあれば配管類の点検が容易となるため、点検のために別の構造物を作らなくても良い。点検がしやすいように、開閉できるはとごやもある。

ただし、はとごやはスラブを貫通する構造になっているため、屋上から雨漏りしやすいというデメリットもある。また、コンクリートではとごやを設置する場合には手間と時間がかかる。
建築基準法では、水平投影面積が建築面積の8分の1以内かつ高さが5m以下の塔屋については、建築物の高さおよび階数に算入しない。よって、はとごやが建築物の高さに含まれることはまずない。