地盤沈下とは、地表面が収縮や陥没により沈み込む現象のこと。沈下の範囲により、海抜ゼロメートル地帯などで発生する広域の沈下現象と、土木工事などによる局所的な沈下現象に分けられる。
地盤沈下の原因は、地震による地殻運動や堆積物の収縮・地下空洞の陥没といった自然現象や、不適切な盛土や切土、地下水の過剰な汲み上げや坑道の掘削など、人為的な原因も多い。

地盤沈下が発生すると地盤が歪み、道路や橋梁は凹凸が生じて通行に支障が生じる。不同沈下により、建築物の一部または全部の破損やガスや水道などライフラインが破損する。住宅が傾くことで、戸の開け閉めの不具合や隙間風が発生するだけでなく、めまいや吐き気なども誘発する。

地盤沈下により不具合を生じた土地建物の施工者は、注意義務違反に問われる可能性がある。実際に工事を担当した業者だけでなく、売主が買主への損害賠償責任を負うことも。
地盤沈下により傾斜した建物は、沈下修正工事で補修する必要がある。建物を持ち上げる杭工法や土台上げ工法、基礎部分に補強するものを入れる耐圧板工法・薬液注入工法・ウレタン注入工法といったものがあり、沈下の状況などに応じて工法を使い分ける。